「何度君を、想像の中で犯したことか」

雌のみの「有羽人(ううじん)」は、齢十を過ぎると地上に伴侶を求めて降り立つ。
――言い伝え通り、夫を捜し地上にやってきたマリナは、
自分を保護する修道士ロレンツォに想いを寄せていた。
決して胸の内を明かさない彼に、やきもきするマリナ……
ある時、彼もまた自分を特別に想うことを伝え聞いた彼女は、
彼の本心を知ろうと狂言誘拐を画策する。
それが、取り返しの付かない結末をもたらすとも知らずに。

少女を愛するため、修道士は偽り、裏切り、口を閉ざす。
ゴシック・ファンタジー。